JDLA E資格を取得しました^_^
どうやって取得するか?については、すでに多くの情報が出ていますので、自分の感じている意義などについて、お話しできればと考えています。
E資格に興味を持っている方、特にすでにディープラーニングに触れているが、コンピュータサイエンス系のバックグランドの無いエンジニアの方の参考になれば幸いです。
また、E資格を初めて知った方に向け、概要なども最後の方にまとめてみました。
AI技術を実装できる人材がサービスを企画する重要性
実装能力のある人が、サービスを企画設計し直接マネジメントすることが、どれほど重要であるか、フレーム問題に追い回される日々を過ごしている人にとっては、切実な共感をもっていただけるのではないでしょうか。
昨今のデジタル庁の設立しかり、今後、業種・職種の区分ではなく基盤として機能していくAI技術を、実装レベルでマネジメントできるスキルは、重要になっていかなければならないと考えています(重要なITスキルは、もちろん他にも多くありますが、ここはポジショントークです^_^;)。
「学問・研究(探求)とは、できない(わからない)ところを理解すること」という名言があります。
敢えて、このことは適切で最適なサービスを設計するうえでも、極めて重要なコンセプトであると感じています。
最大のメリット:AI分野で試験判定可能な最高峰の資格

E資格は、富士通株式会社が認定する「富士通ソフトウェアマスター」のAI分野の資格である「FUJITSU Certified Master AI」の認定条件に設定されています。
「富士通ソフトウェアマスター」とは、スキル標準(ITSS / ITSS+)に準拠した、難易度別に5段階まで用意された資格の体系です。E資格に対応するMasterレベルは、5段階中で上から2番目のレベル4の資格となります。
これは「求められる経験の知識化とその応用(後進育成)に貢献でき、自らのスキルを駆使し、独力で業務上の課題の発見と解決をリードできる人材」であることを示す資格となっております。
E資格取得者であれば、どなたでも申請でき、認定を受けることができます。
また、E資格が対応するITスキル標準におけるレベル4とは、資格試験で認定可能な最高峰のスキルレベルという位置付けになります。
確かに、E資格の受験資格を得るのにJDLAが認定した講座プログラムを修了する必要があり、それ以上の難易度の試験を他に設計することは、困難というかナンセンスとも思えます(やるとしても認定講座とE資格で難易度を調整した方が混乱も少ない)。
ちなみに、レベル5に相当する「FUJITSU Certified Senior Master AI」は、E資格を取得した上で、さらに実務上の十分な実績が有ることなどが条件に加わります。
スキル標準(ITSS / ITSS+)とは
ITスキル標準とは、経済産業省が定めている個人のIT関連能力を職種や専門分野ごとに明確化・体系化しIT人材に求められるスキルやキャリアを示した指標でです。最高7段階のスキル・レベルを設定しています。
詳しくはこちらをどうぞ。
レベル4相当の資格は、国家資格では「高度情報処理技術者試験」、「情報処理安全確保支援士」、民間資格では「CCIE」、「オラクルマスター(プラチナ級)」などがそれにあたります。
参考までにレベル3相当の資格は、国家資格では「応用情報技術者試験」、民間資格では「オラクルマスター(ゴールド級)」などとなっています。
レベル5~7には、資格試験は存在せず、実務経験、実績のみで判定されるスキルレベルです。レベル5は、企業のハイエンドプレイヤー、最高のレベル7はワールドクラスのハイエンドプレイヤーとのことです。判定方法に興味はあるものの、試験で判定できないというところは尤もですね^_^;
E資格取得までの費用は高いだろうか?
私の場合、E資格取得までに以下のような項目で諸々40万円弱の費用が掛かりました。
- 認定講座の受講費用
- 認定講座主催の輪読会参加
- 自習用の書籍購入
- 試験対策費用
- 試験費用
主観になりますが、AI技術に強くコミットしていくことを、個人的な決意だけでなく客観的な証明としても示せるので、その意味では「効率的で確実性の高い自己投資」と考えています。
あまり比較する対象もありませんが、コンピュータサイエンス系の大学院に再入学するような場合の時間と費用と比べるとしたら、リーズナブルな選択ではないでしょうか。
価格は、以前より多くの選択肢があるとはいえ、全般的に高額と捉える向きもありますが、自分自身に付け加える新しい個性、あるいは元々ある個性のエンハンサーを獲得するための、良くも悪くも障壁となっており、そこは大きな問題では無いのかなと考えています。
資格をとってからが勝負なのは、どの資格でも大概同じだと思います。まずは積み上げられる成果としてE資格を取得し、上手くAIを用いたサービスを作ることができれば、レベル5以上もみえてきますね^_^
また、すでにディープラーニング技術で実績はあるが、コンピュータサイエンス系のバックグランドの無いエンジニアの方にも、強くお薦めしたいです。
実務で実績を出していて、かつE資格も取得すれば、客観的にもわかりやすいハイエンドプレイヤーになれると考えています。本来持つの実力を裏付けたり、後押しする肩書になりうるのではないでしょうか。世の中には、そういった資格などが無くてもハイスキルを示すことができる方もいますが、稀ですし^_^;
自分自身を支えるためにも、AIの知識と実践技術をしっかり身に付けて、そのような世界に入っていけたらと、個人的には考えています。
補足:E資格(JDLA Deep Learning for ENGINEER)とは
E資格は、JDLAが主催するディープラーニングの理論を理解して、適切な手法を選択して実装する能力や知識を有しているかを認定する資格です。
エンジニアとしてAIを用いたプロジェクトの上流工程に携わりたい方、ディープラーニングを活用したプロジェクトマネジメントをしていきたい方に向けた資格です。
JDLAとは
JDLA(日本ディープラーニング協会)は、日本において、現在のAI技術の根幹をなすディープラーニングの技術普及、また事業としての普及、および人材育成を目的とした一般社団法人です。
また、E資格、G検定を有した約4万人が所属する、日本最大規模のAIに携わる人々ためのSlackコミュニティ(CDLE)も主催しており、精力的な活動がなされています。
JDLAが主催する3つの資格
JDLAは、ディープラーニングに関する知識を有し、事業活用する人材、ディープラーニングを実装する人材を認定するため、3つの民間資格を主催しています。
- JDLA Deep Learning for ENGINEER(E資格)
- JDLA Deep Learning for GENERAL(G検定):ディープラーニングの基礎知識を有し、適切な活用方針を決定して、事業活用する能力や知識を有していることを認定する資格
- AI For Everyone:ディープラーニングを含めた「データ×AI」の理解・活用のための基礎的な概念やリテラシーを持つことを認定する資格(2021.5.6~)
G検定は「富士通ソフトウェアマスター」にて、スキルレベル2相当の「FUJITSU Certified Professional AI」として認定されています。
資格概要へのリンク
E資格の受験資格
E資格の受験資格は「JDLA認定講座を試験日の過去2年以内に終了していること」になります。
2021年4月現在、大学の2講座を含め、17の認定講座が存在します。
現在持っているスキル、予算、スケジュールを加味して、自分に合ったものを選ぶとよいと思います。
講座の紹介
株式会社アイデミー
ユーザー数No.1を誇り、認定講座終了後にE資格「合格保証制度」があり、受講開始後最大2回目の試験まで、チャットサポートと教材が無償で利用でき、効率的な講座の復習や試験対策が可能になります。
さらに受講後、8日以内の申し出であれば、全額返金にも対応しているので、実際に受講してから講座を継続するか判断することもできます。
無料のオンライン相談もあるので、そちらを利用して自分の状況に適しているか確認してみるのもよいと思います。
アイデミーE資格認定講座
Study─AI株式会社
月額3000円にて認定講座を開始できますので、個人でのE資格の取得を考えている方には、非常に自由度の高いプログラムとなっています。
以下のいずれかに当てはまる方は、ぜひ検討してみていただけらと思います。
- 時間に余裕のある方
- すでにある程度のコンピュータサイエンス系の知識を有している方
特に短期集中できる方は、非常に魅力があるプログラムですが、逆に期間が絞られずにじっくりチャレンジを続けられる方にも、大きなメリットではないでしょうか。
役に立った書籍
- ゼロから作るDeep Learning 1
- ゼロから作るDeep Learning 2
- ディープラーニングE資格問題集(第2版)(訂正箇所リンク:「お詫びと訂正」)
役に立った動画(Youtube)
- ヨビノリ:線形代数やベイズなど、数学の基礎的な部分で役に立つ動画が多いです。ただし、面白いので脱線注意!!最近は将棋が胸アツです!!理系の学生のみなさんは、もう知っているかな^_^;
- Neural Network Console(Sony):ソニーのサービス周知を目的とした動画ですが、特に「再生リスト:Deep Learningについての解説」がお薦めです。
- 某处生活_LiveSomewhere:特異値分解の解説が秀逸でした。
ハンズオン:Deep Learningを身近に体験
有料ですが、UdemyにDeep Learningの優れたハンズオンがありますので、僭越ながら、お二方を紹介させていただきます。
井上 博樹 (Hiroki Inoue)さんUdemyでは、各教材を定期的にセールしているので、一旦、アプリをインストールして、気に入った教材をお気に入りとして登録し、セールのときにまとめて購入して受講するなどが、お得です。購入した先生の新しい講座は、事前連絡があり、クーポンをもらえることもあります。
Python学習
ディープラーニングで必須のプログラミング言語であるPythonに、まずは親しみたい方、体系的に学びたい方は、こちらがおすすめです。
現役シリコンバレーエンジニアが教えるPython 3 入門 + 応用 +アメリカのシリコンバレー流コードスタイルまとめ
E資格を取得した後ですが、今後は自分なりのデータフローみつけたり、構築したりして、AIツールなどを実装していきたいと思っています。
その他、需要があるかわからないけれど、G検定のブログも書こうかな^_^;
それ以外では、AI・学習系トピックとしては、関連書籍や周辺ツールなどについても、紹介していけたらと考えています。
コメント